ずっと手放せない
朝 目が覚めて
コーヒーを飲んでる時も
近所の公園を
ジョギングしている時も
通勤途中に
小説を読んでる時だって
ランチしてる時も
忙しい午後だって
帰ってきて楽しみにしてた
DVDを観る時も
なんだったら彼女と一緒の時だって
手放さない
そんな風に
僕らはいつだって一緒だった
最近 ふと
いつもキミを支えている方の手に目をやると
少し小指の骨がおかしいんだ
明らかに 良くない方に曲がってきている
それでも 良いんだ
それでも ずっと一緒だ
何が起こっても
ずっと
僕は心からそう思っていた
なのにキミはついさっき
僕の手の平から
弧を描くように飛んでいっては
この星に だいぶ強めに叩き付けられたね
痛かったろう
けれど
粉々になった数億粒ものガラス画面は
それはそれは奇麗な星空を描いたね
僕はあの光景を一生忘れないよ
ごめんね
全部僕がいけないんだ
ムエタイヨガのアプリなんか入れなきゃ良かった。